器のサイズは形以前の重要なデザインなんです
スープマグカップを作っています。これまでサイズに迷いがありましたが、大きいだけが良いと言うことはなく、使いやすいさを大切にしていきたいと思っています。子供やお年寄りも持ちやすいサイズ感。大きくする(増やす)ことが良いとされがちですが、小さくする(減らす)ことを意識したい。誰もがふだんづかいできる器を目指して。大人が座る椅子をデザインするなら、高さが四〇〇ミリあってもいいが、公園のベンチなら四〇〇ミリは絶品高すぎる。公園には老人もいて、子供ももいる。三〇〇ミリ、場合によっては、二〇〇ミリのほうがうんと寛げる。サイズは形以前の重要なデザインなんです。そういうデザイン的な思想、自分自身の考えがハッキリしていて、最終的な形になる。森正洋の言葉。デザインの言葉。森正洋氏は、「毎日使う」器をテーマに活躍された陶磁器デザイナーで、現代的でシンプルなデザインの先駆者的な存在です。