JAZZを勉強するために、油井 正一さんの『ジャズの歴史物語 』を読んで、JAZZの歴史を探ります。
一言で定義すれば「ジャズは今世紀のはじめ頃、ニューオリンズの黒人ブラス・バンドから起った」のである。
解放後自由市民となった黒人は音楽が充満しているこの町で、南北戦争(一八六一‐六五年)で敗れた南軍軍楽隊が残した楽器を安く手に入れ、ブラス・バンドを組織し、アルバイトとしてかせぐ手段を考えついたのである。「黒人ブラス・バンド」という一句は特に大切だ。
ジャズの歴史物語 (著)油井 正一
ニューオリンズは、アメリカ合衆国のルイジアナ州南部にある同州最大の都市。
1718年にフランスの植民地として開拓が始まり、その後、1803年にナポレオンによってアメリカに売却されるまでは、約100年間に渡ってフランス領(一時スペイン領)として街が発展しました。
フランスの支配期間が長かったニューオリンズに、クリオールが多く生まれ、一般黒人とちがった階級を形成していた事実が、ジャズという音楽を生むのに大きく役立ったのである。
ジャズの歴史物語 (著)油井 正一
ニューオリンズのクレオールと呼ばれる、フランス、もしくはスペインの入植者と黒人との間に生まれた人々が初期のジャズの形成に大きな役割を果たしています。
十九世紀、ニューオリンズの舞踊会で演奏されたのはマズルカやポルカ、ワルツのたぐいであった。黒人的なビート感をたくみに加味したラグタイム・ピアノも弾かれた。町の中ではブラス・バンドがマーチをひびかせ、煙突掃除や苺売りの売り声(ストリート・クライ)にまじって、世界各国語で歌われる民謡がきかれた。黒人の労働歌、教会歌、ミンストレルで歌われた歌にだぶって愉快な物語を織りこんだカリプソ……。こういう音楽的記憶の豊富さがすべて初期のジャズに含まれている。ニューオリンズという特殊な町以外でジャズが生まれたと信じられないのはこの故にである。
ジャズの歴史物語 (著)油井 正一
アメリカとは言え、ヨーロッパの文化がある土壌で、アメリカ南部のブルースやカリブ海経由で入ってきたラテン音楽など、さまざまな音楽が出会い、新しい音楽としてカテゴライズできるスタイルが生まれた、ということがジャズの発祥とされます。
現代社会でも日本もビジネスを海外に通用させるためには、ダイバーシティ(多様性)が必要と言われます。
JAZZこそが、ダイバーシティ(多様性)の中から生まれた、新しいスタイルの音楽だったと言えます。
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